最新号 2008年4月号

- FLO RIDA
「えっ、マイアミ出身なのに“FLO RIDA”? しかもフロリダとは読まずに“フロー・ライダー”?」とかツッコマないよーに。なぜって現在24歳ながらも大物の風格すら感じさせる彼は、デビュー・シングル「LOW」でいきなり全米シングル・チャート10週連続1位というとんでもない記録を樹立してしまった男なのだ。ちなみにT-PAINのヴォーカルをフィーチャーしたこのパーティー・チューンは、全米公開中の映画『STEP UP 2』のサントラからのファースト・カットでもある。ってなわけで、もはやすっかりおなじみだし、そもそもメジャー・デビュー作はDJ Khaledの『We the Best』に収録されていた「Bitch I'm From Dade County」だったりする。だから敏感なリスナーのなかには、「とっくにチェック済みだぜ」って人もいるかもね。いずれにせよこの男の最大の魅力は、ネリーにも通じる歌うようなラップ・スタイルだ。スキルも、新人とは思えないほどテクニカル。マイアミといえば思い出すのはトリック・ダディやリック・ロスだが、まさに彼らの意志を継ぐブライテスト・ホープって感じ・・・。 - KEVIN MICHAEL
まず、1つ言わせてもらいたいのだが、日本盤が出るのが遅すぎる。本国から5ヶ月遅れって、R&Bファンはとっくに輸入盤で買ってるっちゅーねん。この非凡な才能を前にしては、そんな苦言の1つも言いたくなる。ケヴィン・マイケルという名の22歳の青年のデビュー作は、一聴して彼が素晴らしいアーティストであるということを理解させる。ペンシルバニア州チェスターで、黒人の父とイタリア系の母の間に生まれた彼は、音楽好きな父親の影響もあり、10代の頃からレコーディングを始め、16歳の時に初めてオリジナル曲を作る。彼はその時のことを「頭の中で何かが閃いて、これを書き留めなきゃと思った」と言っている。多くのアーティストが曲を書く時に「曲が降りてくるのを待つ」と言うが、彼は最初からそういう経験をしていることになる・・・。 - Whitney Houston
2002年の放送開始以来、アメリカで驚異的な視聴率を記録し続けている視聴者参加型の公開オーディション番組「アメリカン・アイドル」。日本でも、2月から最新“シーズン7”が放送中(FOXチャンネル)だ。そのスタートは地方予選から。応募者は3人の審査員の前でアカペラで得意のナンバーを歌いあげ、合否を判定されるわけだが…ここでかなり重要なのは、実は選曲だったりする。観ていると、賢明な出場者なら歌うのを避けるべき曲というのが確かにあって、その筆頭に挙げられるのは、マライア・キャリーと、そしてホイットニー・ヒューストンのナンバーなのである。例えば、ホイットニーのヒット曲を選んだ女性(稀には男性)が合格し、次の(ハリウッドで行われる)予選に進める確率は極めて低いと言われている。なぜなら、よほどの歌唱力と表現力の持ち主でない限り、オリジナルの世界を超えることはできないから…。それ程までにホイットニーの歌唱は唯一無二で圧倒的。まさに“ザ・ヴォイス”の名にふさわしい偉大な存在なのである・・・。 - Cheap Trick
今や“世界でもっとも曲をカバーされるバンド”の異名を取る 70’sのグレイトなロックンロール・バンド、チ-プ・トリック。永遠のアンセム「サレンダー」をはじめとして「甘い罠」「今夜は帰さない」といった名曲は、メタルやポップ・パンク、グランジ、ガレージ、インディ・ロックなど、ジャンルを一切問わず、あらゆるバンドからカバーされてきたものだが、忘れるなかれ。この稀代の名バンドの存在を世界に知らしめた存在こそ、この日本であることを!・・・。 - Aura
先頃、開催された《第22回日本ゴールドディスク大賞》(2008 年3月4日)にて、“クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー”を受賞した『オーラ~美しい感動~』が発売されたのが2007年の4月。いつまでも心の中で輝き続ける“特別な歌”、“美しい感動”を呼んだ現代のトップ・スタンダード・ソングス…をコンセプトに、ケルティック・ウーマン、サラ・ブライトマン、リベラ等、人気アーティストの名曲をコンパイルしたこのアルバムはロングラン・ヒットを記録。購入者アンケートには、主に30~40代の男女から「癒され、励まされた」「安らげる、心地よい」「心が洗われた、ピュアな自分にもどれた」などの反響が寄せられたという。その後、 11月には『オーラⅡ ~輝ける時間~』と『オーラ・クリスマス』が相次いでリリースされ、こちらも好調なセールスを記録した・・・。 - MAKSIM
ユネスコの世界遺産に登録される美しいスポットが点在し、各国の王室や大富豪、そしてハリウッド・セレブらがこぞってバカンスに訪れるというクロアチア共和国。その古都、シベニク出身で、今や世界各国でロック/ポップ・スター級のCDセールスと人気を博しているピアニスト、マキシム。そのモデル並みのルックスの良さから“鍵盤のプリンス”と呼ばれて久しい彼だが、かつて祖国を覆った旧ユーゴ内戦時には、激しい戦火の中、音楽学校の地下室で練習を続け、その後は数々の国際的ピアノ・コンクールで優勝を飾った真の実力派でもある。2003年に名門レーベル、 EMI CLASSICSからワールド・デビューを果たして以来、クラシックの名曲を独自のサウンドへと進化させる眩しいセンスで、(特にこのジャンルにとっつきにくさを感じていた)多くの人々を魅了・・・。 - WINTERSLEEP
幾多の良質なバンドを輩出するその音楽的な土壌の豊かさで、近年特に注目を集めているカナダから、またも新たな才能が日本に上陸する。“冬眠”という一風変わったバンド名を持つ彼らは、メンバーが大好きだというR.E.M.を髣髴とさせる歌心や、モグワイ顔負けの轟音ギターで聴く者を魅了する5人組だ。本国では既に2枚のアルバムを発売しており、日本デビュー・アルバムとなる『Welcome To The Night Sky』が3作目。ライブでの感触を生かしながら仕上げたという収録曲群は、これまで以上によく練り込まれており、ポップ・ソングとしての完成度も非常に高い。既に昨年10月にリリースされている本国では高評価を受けているらしいが、それも当然と言ったところだろう・・・。 - JADE
アメリカ出身のジェイドがドイツのユニット、スウィートボックスに参加したのは2001年の2ndアルバム『クラシファイド』の時からだ。彼女の加入により、スウィートボックスは、ダンスからポップへと大幅に音楽の方向性を転換することになった。それから約7年、昨年末にリリースされたベスト盤の大ヒットが実証するようにスウィートボックスは、高い人気を保ち続けた。そのユニットからジェイドが独立。ソロとして昨年10月にミニ・アルバム『ジェイド伝説再び~アウト・オブ・ザ・ボックス~』をリリースしたが、続く新作『ビタースウィート・シンフォニー』が早くも届けられた。「2001年に私が加入してから、ことあるごとに“スウィートボックスってあなたひとりだけなの?”という質問をされてきた。そのたびに同じように混乱している人が多いんだろうなと思ってきたので、スウィートボックスの名前から離れることを決心したの。だから、脱退という感じじゃないのよね。プロデューサーは同じGEOだし、彼と全曲を共作しているので、音楽的には何も変わっていないわ」確かに混乱している人はいたかもしれない。でも、7年間に築いた実績は大きい。そんなにあっさりと名前を捨てられるものなのだろうか・・・。 - ADELE
今年2月、全世界の音楽界の話題をさらったエイミー・ワインハウスのグラミー賞5冠達成。この快挙は世界に、現在のイギリスの音楽界で隆盛を誇っているのがインディ・ロックだけではないことを知らしめた。そして、このエイミーの出現は、イギリスの音楽業界に “第二のエイミー探し”、つまり、白人女性による新たな R&Bシンガーを見つけだすのに躍起にさせることとなる。「また、ハイプ探しか。エイミーは特別な存在であって、ニセ者を作り出したところで…」。こういう話をすると、そういぶかしがる者もいるだろう。だが、そこは基本的な音楽的素養の高い現在のイギリス。若いながらも、古いソウル・ミュージックやジャズを愛する才能がゴロゴロ育ってきていたのだ。そして気が付けば、この3月までのイギリスのヒット・チャートを独占しているのは、まさにその “ポスト・エイミー”な、新世代のホワイト・ソウルシンガーだった。そのひとりがダフィ、そしてもうひとりがこのアデル。共にBBCが今年はじめ、“2008年のブレイク候補”として名をあげた2人(そのときはアデルが1位でダフィが2位)である・・・。 - Colbie Caillat
世界最大の音楽SNSサイト、Myspace.com。ここで見出されてメジャー・デビューを果たすアーティストが増加しているが、その中でもコルビー・キャレイは別格である。現在22歳のこのカリフォルニアン・ガールの人生は、 Myspace.comで発表した「Bubbly」という一曲で激変した。部屋で恋人とくつろぐ幸福感を、シンプルな歌詞とアコースティック・ギターでゆったりと表現したこの曲。評判が評判を呼び、無名の新人であるにもかかわらず、彼女のページにはあっという間に毎日何千ものアクセスが殺到。結果1000万回以上のプレイを獲得し、レコード会社と未契約のアーティストとしては実に4ヶ月連続でナンバーワンであり続けたのである・・・。